ドミニオン日本選手権に行って来た

そう。俺の記憶では2011年9月10日土曜日はドミニオン日本選手権に行って来た。エントリ受付の10時ちょうどに代々木駅につき、急いで受付を済ませ、会場一階のマクドナルドで朝マックとしゃれ込み、そわそわしながら開催を待ち、緊張しながら大会に参加し、99人中91位という結果を残した。
何故か。
ドミニ力(ちから)の欠落である。
ドミニオン初級者と中級者の間には明確な壁がある。ゲームの勝ちパターンを覚え、ゲームの最終形が見えているか見えていないかという違いである。場数を踏み、色々な種類のサプライでゲームをしてきた者たちが鍛錬の積み重ねの結果得る勝負勘、それがドミニ力(どみにかではない)の根源である。プロドミニオンプレイヤーは、サプライが決定した瞬間にドミニ力を解放する。これをドミニ-ONと呼ぶ。ドミニオンの1,2ターン目は初期デッキの関係上、2金5金か3金4金となる。ドミニ力を解放したプレイヤーは、普通自分の目指す最終形のための初期手札を引いて来ているはずであり(5金が必要な場合は既に5金が手に入っている)、その前の手番を決める時点で圧倒的な運命力を発揮している。(じゃんけんやダイスでは当然全員技術による操作が可能なので、一般的には頭にブロックを載せハンマーでたたき割り最後まで立っていたものが一番手とする方法がポピュラー)
例えば午前一回戦目のサプライでは、当然一番手で宰相-屋敷を買う。その後は、宰相プレイで6金->金貨購入からの銅貨x3、金貨、宰相の8金で属州を毎ターン買う。
ドミニ力が均衡したプレイヤー同士であれば、全員が同じ手を繰り返すため、3周した時点で属州が12枚買われゲーム終了となるが、ドミニ力が強い方が弱い方の運命をスポイルするため、宰相がデッキの底に沈む(沈ませるといった方が適切か)ことになり、勝負は決まる。
もはやドミニオンは戦略云々ではなく、ドミニ力で勝敗は決まっているのである。
私も日本選手権当日までに様々な方法でドミニ力を高めていたが、当日の朝それは起こった。朝マックをとっていた私は突如として光につつまれ、次の瞬間にはドミニオン界へと召喚されてしまっていたのだ。高まったドミニ力によって引き寄せられた私は、ドミニ共和国の勇者として帝国軍と戦うことになった。悪しき陰謀を打ち砕くため、海辺の遺跡を巡り、封印された錬金術を復活させ、共和国は勝利し、繁栄は約束された。収穫祭の火を見つめる彼女に永遠の別れを告げ、気がつけば元の代々木のマクドナルドにいたのであった。激しい戦いの末私のドミニ力はすっかり失われてしまい、あの仲間との日々も幻のようにすら思えるが、きっと私は忘れはしないだろう。だって、私たちの世界には、ドミニオンがあるのだからーー。